名作を忘れないように。

振り返り用コンテンツ備忘録

愛を言葉にする【7 Days to End with Youが面白い】

最高でしたやん…

2023Steamサマーセールで600円だったので買ったこのゲーム、3時間ぐらいで終わったけどこりゃ良い話で。

というわけでいつか自分が振り返った時の為に感想などをつらつらと残していこうと思います。あ~早く脳をスキャンして人生で遊んだゲームが自動でリスト化されるような夢のデバイスでないかな。

2023年7月5日プレイ

 

 

 

 

ストーリー(序盤)

主人公は見知らぬ場所で目を覚ました。目の前には赤い髪の綺麗な人がいて目を覚ました主人公を見るや否やなんか喋ってる。
ここで重要なのは何を言っているのかが分からないってこと。言葉が分からない

https://cdn.akamai.steamstatic.com/steam/apps/1859280/ss_0b34acd0b855dda6f8a289987bf4cbacf5affa1e.1920x1080.jpg?t=1674910931

そんなわけで主人公はどうしたものかと手をこまねくけど結局ここはどこかも分からずあまつさえ記憶まで失っちゃってるもんだからとりあえず目の前の人に頼るしかないという結論に至る。
言葉が分からないこの世界で目の前の人の会話から言葉の意味を理解していこう。ってのが序盤の話でした。

 

登場人物

基本的には主人公とヒロインの二人のみ。あとテキストだけのモブが一人だけ一瞬出てきてたと思う。

主人公

割れた鏡に映った主人公

記憶喪失で今いる地域の言葉が分からない。でも人並みの思考能力はあるっぽいので地の文では結構ちゃんとしてるなって印象。料理したり肥料あげたり結構アクティブかもね。ちゃんと名前もあるよ

 

ヒロイン

目を覚ましたら目の前にいた人。可愛いね。ノースリーブ結構好きですよ、黒と赤のカラーリングも好き。
主人公が目が覚めたことに喜んでたり絵とかを使ったりしてコミュニケーションを取ろうとしてくれる。でも誰なのかは分からない
2階建ての大きな家に住んでるみたい。こっちもしっかりと名前があるよ

 

このゲームの特徴

言葉が一切分からないので最初は何が何なのかさ~っぱり分からない、まぁこれが最大の特徴でしょう。
ということで一週目はほとんど何を言っているのか分からずにエンド。多分みんな同じでしょ。
周回プレイの中で少しずつ単語を自分なりに翻訳していって自分だけの物語を作っていくというゲーム性。公式も「この物語は、貴方の解釈で完成します。」ってSteamの紹介ページで書いてたのでそういう遊び方をしましょう。

各単語に意味を当てはめていくスタイル。自分だけの辞書づくり



ちなみにぼくは2週目までは頑張って3週目でネット上に転がってる翻訳サイトの力を借りました。こういう作業苦手やねんな…でも楽しめたから〇

 

音楽

終始ピアノTwitterだかで検索したらどうやらフリー音源らしい(リンクも貼られてたと思うけど遡れないので真偽不明)
穏やかに、だけどどこか悲しくもあるそんなピアノ特有の雰囲気に浸れるので良かった

 

【ネタバレあり】感想

 

2週目までは主人公は戦争に行って怪我でもしたのかなぁ?って思ってたら3週目で翻訳した状態で見るとまさかの「主人公は既に死んでいてヒロインの錬金術によって造られた存在」って設定で驚きすぎて目ん玉ぶっとびました。まさかねぇ……あ、そういう話???って…

錬金部屋。そうだね下に骨とかありますもんね…全く気が付かなかった……


一人でプレイ中だった当時の自分は深夜1時にTwitterで騒いでいましたとさ。
言葉の意味を知るとヒロインがどうして主人公に付きっ切りだったのか、どうして外に出るのを必死で止めたのか、色々な場面が納得いくように出来ていて改めて言葉の力を感じた。
普段自分がどれだけ言葉に助けられて生きているのか。こんなこと普段は当たり前すぎて考えもしないことだけれど、昔々の人々も言葉の壁にぶつかったりしたんだろうなと。今はスマホやらなんやらで簡単に翻訳機能を使える素晴らしい世界だから先人に感謝。

ヒロインはずっと主人公に会いたかったけどどう頑張っても一週間で死んじゃうし言葉も分からない、記憶も無い。しかもどうやら月に一回しか錬金出来ないと。そういった状況下で10回以上も錬成を繰り返して何度も何度も主人公に寄り添い言葉を教えようとしたと。
泣くけど。これは泣くでしょ、純愛ですよね?こんなの。
毎日おやすみとおはようを欠かさず言ってくれて、何度失敗しても諦めず愛情を持って接してくれるなんて幸せ者だな主人公おい。
でもやっぱり7日目は死ぬ運命にあるみたいでここでどうにか自分が死んでしまう事をヒロインに伝えたいらしい。ここで適切な単語を選んでコミュニケーションを取れた瞬間の感動は心に来るものがありました。意思疎通が出来ることの感動って凄いんだよな、普段国内で過ごしてると忘れがちになるけど言葉が通じるのって心に来る。

 

自分だけの解釈で自分だけの物語を、愛を言葉にする

適切に言葉を選んでいくと、最後に主人公とヒロインは心中します。
なんで……ようやく言葉が通じたのに…
確かに人ひとり錬成するのに大量の人血や頭が必要らしいから随分と犠牲者が出たみたいだけどユーザーである我々はそんな犠牲者のパーソナリティ知らんからね。それよりも二人の幸せの方が重いンだわ。
とはいえそれが主人公とヒロインの望んだ道なら仕方ない、ヒロインも自らの目的の為に他人の命を奪い続けることに少なからず罪悪感があったみたいだし。
正直ここら辺を読んだ時、「つらいな~こういうのゲームってやっぱりビターエンドになるよなぁ」って思ってた。

 


個人的には、前途がどれほど苦難に満ちていようと最後に幸せを迎える結末が一番好きなんですよね。いわゆるハピエン厨ってやつですか?
別にいくらバッドエンドやビターエンドがあっても良いんだけど、たった一つでもみんなが幸せになれるエンディングを見たい。結局創作というものはいくらでも結末を変えられるのでね、なら幸せな世界を享受していきたい。

じゃあこの作品は最後に心中して終わったのか、ビターエンドで終わったのかというとそうではなかった。ここからが個人的評価爆上げポイントで、最後の最後に出てくる選択肢でヒロインの名前を言葉にするとエンディング後に特殊スチルがあった。

ノートに書いてあるのはAlchemiy(錬金術)の英語Wikiの原文らしい

左にある紙に書かれているのはヒロインの名前(Theo)
これ最初に見た時「???在りし日の二人か?」って思ったんだけど他の方の考察とかを見ると、ヒロインと主人公が現代に転生して再会出来た説ってのがあってめちゃくちゃ腑に落ちた。
確かにそれならノートが英語で書いてあることへの説明も付くし、左の文字がゲーム内言語で書かれているのも納得。
そうだとしたらロマンチック過ぎませんか???

転生しても主人公はヒロインの事を覚えていた。あれだけ努力しても最後に心中で終わっちゃった二人だけど新しい世界で新しい一歩をともに歩みだすことが出来た。ヒロインは主人公と一緒にいたいって作中ずっと言ってたんですよ、報われたんやね……

 


このスチルは最後に主人公がヒロインへ向けて「」を伝えたことで解放されたわけだけど、つまり愛を言葉にしたら奇跡が起こったわけですね。そもそも主人公は何度錬成されても言葉が分からないまま終わっちゃってたんだけどようやく言葉を理解することが出来た、ここで既に奇跡じみてるけどそうして奇跡を起こした主人公が最後に愛を伝えたことで更に奇跡が起きたんだなぁって。
この感動を伝えるの結構難しいかもしれない。プレイヤーも主人公とほとんど同じ境遇なんだよね、言葉分からなくて何度も繰り返して。だからこそそんな主人公が言葉を伝えられたことへの感動もある。

とはいえこれはただの一説に過ぎないからもしかしたら最後のスチルは別の意味があるのかもしれん。
けれどもこの物語はさっきも述べたように「この物語は、貴方の解釈で完成します。」って公式からお墨付きが出てる。
ならぼくは最後の最後に愛を伝えたことで奇跡が起きたという風に解釈します。これは愛の物語、きっと愛に満ちた結末がある

自らの解釈で物語を咀嚼出来るって素晴らしい。

 

総括・評価

めっちゃ面白かった。600円でこんなに色々考えさせられるなんてコスパも良し。布教していきたい。

シナリオ  :10/10 

キャラクター:15/10

音楽    :5/10(フリーだし数曲しかないので…)

雰囲気   :10/10

CG    :なし

合計    :40/40💮

おすすめ度 :★★★★★

 

 

おまけ

PlayismのTwitterアカウントがツイートしてるイラスト素晴らしすぎ

 

あと大谷港先生のこのツイートも尊い

 

主人公とヒロインが幸せになれたら良いね。

 

商品リンク

Steam版

store.steampowered.com

Switch版

store-jp.nintendo.com

あとスマホ版もあるらしいね。